ロングトレイルで「バテない歩き方」を体で覚える旅
山に登ったあと、 「もっと余裕を持って歩けたらいいのに」 そう感じた経験はありませんか。
昨年の秋、八ヶ岳・編笠山をご案内した50代のご夫婦も、まさに同じ気持ちを抱えていました。 無事に登頂はできたものの、コースタイムの2倍以上かかり、 「来年は富士山に挑戦したいけれど、このままでは不安」 という思いが残ったのです。
そこで、7月の富士山本番に向けて “10km以上・約7時間” のロングコースで体力を確かめるトレーニング を提案。
テーマは「バテずに、飽きずに、楽しく歩く」。 これ、富士山を目指す誰にとっても、大切なキーワードです。
8:45 奥多摩駅
最初の準備運動は “ゆっくり歩く” こと
駅前ではツバメが忙しそうに子育て中。 クマのニュースがあったにもかかわらず、奥多摩駅はそこそこの賑わいです。
ご夫婦と合流し、今日の流れと、7月の富士山登山に必要な事前登録について説明。


都心は30度を超える夏日でしたが、駅から橋を渡り、愛宕山の登り口へ入ると、森のひんやりした空気が心地よく体を包みます。
ここでひとつ、ガイドからの耳よりポイント。 それは 「登山前の静的ストレッチはしない」 ということ。
国際山岳医・大城和恵先生によると、 体を動かしながら温める “動的ストレッチ” が登山には向いている とのこと。
僕自身、50歳を過ぎて体の硬さを感じるようになり、 無理に伸ばすより、ゆっくり歩き始める方が調子が良いと実感しています。
そこで今回は、駅から登山口までの10分ほどを “ゆるゆる歩く準備運動” にしました。
体が自然とほぐれたところで、最初の難関が目の前に現れます。

9:30 愛宕神社
187段の急階段は「山のリズム」で登る
目の前にそびえる、長くて急な187段の階段。 ここを疲れずに登るコツは、駅の階段とは違う “山のリズム” を意識すること。
- 背筋を伸ばす
- 大股にしない
- 足だけで登らず、全身でバランスよく
- 呼吸は「吸う」より「吐く」を意識
このポイントをお伝えしながら、ゆっくりと階段を上がります。
山頂に着いたご夫婦は 「意外に疲れなかった!」 と笑顔。 少しの意識で疲れ方が変わることを実感していただけました。

ストックを“推進力”に変える小ワザ
愛宕山から鋸山までは、地味な登りが続く尾根道。 ここでご主人が購入したばかりのストックを取り出したので、 登りが楽になる “小ワザ” をレクチャー。
① 踏み出す足の少し前にストックを着く
② 後ろへ送る時にグッと押し込む(推進力が生まれる)
足の負担を腕に分散できるため、長い登りで効果を発揮します。 ただし腕力が弱い方は逆効果になるので注意。


12:20 鋸山
心が折れない人がやっている「峠のお茶屋理論」
鋸山から先は、細かなアップダウンの連続。 「せっかく登ったのに、また下るのか…」 と、最も心が折れやすい区間です。
大城先生の著書には 「マイナス思考は脳のエネルギー切れ=疲労のサイン」 とあります。
だからこそ、マイナス思考になる前に “脳をだまして心の体力を温存する” ことが大切。
そこで紹介したのが、昔の知恵「峠のお茶屋理論」。
昔の旅人は、峠にある茶屋で団子や甘酒を補給してから登り返しました。 つまり、 「きつい登りの前に甘いものを入れておくと、バテないし心も折れない」 という知恵です。
ご夫婦にも、脳をポジティブに保つコツをお伝えしました。
- 下りでは「距離を稼げてラッキー」と考える
- 下りきったら甘いものなど、糖質&水分をこまかく補給
- 登りの時は、“宝探し”のように小さな発見を探しながら歩く
特につらいのは登りかえしなのですが、実は登りは足元の花や苔、光の変化など、 小さな発見がいちばん見つかりやすい時間。 「何か珍しいものないかな?」と宝探しのように歩くと、 疲れよりも“好奇心”が前に出て、自然と足が前に進みます。
と、このようにゲーム感覚で気分を上げることで、長いアップダウンも笑顔のまま越えていきました。



14:00 大岳山
コースタイムより早く歩けた理由と見えてきた課題
大岳山には、なんとコースタイムより少し早く到着。 ただし太もも・ふくらはぎにはしっかり疲労が残り、ご主人は軽く足がつりかける場面も。
原因はやはり 筋力・スタミナ不足。 そこで 「7月までに低山でよいので、コツコツ登り続けましょう」 と次の課題を共有しました。
ここからは御岳山へ向けてラストスパートです。

15:30 ロックガーデン~御岳神社
“安心があるから行ける” プライベートガイドの価値
大岳山から足場の悪い下りを経て、人気スポット「ロックガーデン」へ。
当初は立ち寄らない予定でしたが、 ご夫婦から「行ってみたい!」とのリクエスト。
「疲れてはいたけど、今日はガイドがいるから安心」 そんな言葉をいただき、公募のソロ登山教室ではありましたが、結果お二人だけのプライベートプランだったので柔軟なアレンジができました。
綾広の滝の清涼な空気、新緑に映える岩肌…。 何度訪れても心が整う、大好きな場所です。
その後、御岳神社にお参りし、今日の無事を報告。 ケーブルカーとバスを乗り継ぎ、御岳駅へ戻りました。

まとめ
富士山へ向けて、確かな一歩
今回の詳細なルートや通過タイムは YAMAP に公開しています。コチラ☞https://yamap.com/activities/48744373
ぜひ参考にしてください。
山とやさい Mt.Veg では、 目標の山に向けた “プライベート貸し切りプラン” でのトレーニングを応援しています。
- 一生に一度は富士山に登りたい
- 自分の体力に合わせたペースで歩きたい
- ストックの使い方やバテない歩き方を学びたい
そんな方は、どうぞお気軽にご相談ください。



