前回のブログで、50歳を迎えて山登りが気になる人が増えているといった話をまとめましたが、今回もその続きです。「山には行ってみたい。でも、何を買えばいいんだろう。」 そんな疑問に引っかかってしまう方が、意外と多いのでは??
山登りを始めたいあなたへ
山に興味はあるけれど、最初に迷うのが「何を買えばいいの?」という道具の問題。 雑誌やSNSには情報があふれ、登山用品店に行けば値段に驚いてしまう…。 そんな理由で山デビューを先延ばしにしている方は多いはずです。
でも、夏山シーズンが始まる今こそ、最初の一歩を踏み出すチャンス。 今回は、山デビュー前に本当に必要なものを、実体験を交えて整理します。

まずは家にあるもので十分
登山の三種の神器といえば 靴・ザック・雨具 の3つ。 ただ、行ってみたい山や目的がまだはっきりしていない段階では、どれを選べばいいのか迷ってしまいます。
そんなときにおすすめなのが、 一度はお店で見てみるけれど、そこでは何も買わず、まずは山へ行ってみること。
最初からアルプスや八ヶ岳に行くわけではないので、いきなり本格的な装備をそろえる必要はありません。 まずは、家にあるもので十分です。
- 靴:ソールがしっかりした、履きなれたスニーカー
- 雨具:できれば上下セパレートが理想ですが、街で使うレインウェアでもOK
- ザック:水筒、軽食、タオル、簡単な救急セットが入れば十分
このくらいの“身軽さ”で、まずは整備された山を歩いてみる。
“まず歩いてみる”という経験が、自然と必要な装備を教えてくれます。
5歳児との山歩きが教えてくれたこと
先日、5歳の孫と秩父の丸山(960m)を歩きました。 西武秩父線の芦ヶ久保駅に直結する道の駅からスタートでき、山頂までの往復距離は約9.5kmありますが、果樹公園の中の登山道は、トイレも点在して舗装道路もあり、山頂直下まで車で入れるのでイザという時にも安心の山です。


そんな中で孫はほぼ普段着(いつも履いているスニーカーと服)で歩き通しました。 もちろん天気の確認やコース選びなどは登山ガイドとして万全に準備を整えたうえでのことですが、 最初から専用の装備がなくても山は楽しめる、と改めて感じました。
自然が大好きな孫は、木の実を拾い、山道にできたアリの行列を観察し、山頂では武甲山の大きな姿に感動。 下山後は「またお山に行きたい!」と笑顔でした。


今回の秩父・丸山のようなコースは、奥多摩の御岳山や高尾山などにもあって、季節や天気を選んで経験者が同行すれば、同じように楽しめます。
とにかく、道具や装備で何を買うか迷う前に“山デビュー”! その一歩を踏み出すことをお勧めします。

“一歩”を踏み出したのなら、次は山の雑誌やYAMAP、ヤマレコなどのレポートを見ながら、自分の登りたい山、やりたいことに思いを巡らし・・・それから登山用品店へ出かけていく。
まず購入を検討するのが、最初に紹介した「登山の三種の神器」の「靴・雨具・ザック」です。
三種の神器の選び方(靴・雨具・ザック)
①靴(最重要)
足元の安全は、山では何より大切です。 最近いろんなメーカーから軽量タイプが出ていますが、舗装路では歩きやすいものの、不整地では疲れやすいこともあります。また、とくに50歳からの初心者の筋力、技術不足を補ってくれるのが「靴」です。なので初心者はオーソドックスに、ミドル〜ハイカットで、ソールがしっかりした、3万円前後の靴 からスタートするのが安心です。

②雨具(Gore‑Texの上下セパレート)
山で怖いのは「冷え」。春や秋はもちろん、真夏だって「冷え」はあります。そんな 雨・風・汗による冷えを防ぐためにも、透湿性の高いレインウェアは大人の必需品です。
最近は、以前のブログでも紹介した
- MILLET ティフォン
- THE NORTH FACE フューチャーライト
- モンベル トレントフライヤー
のように、 晴れていても着続けられるほど透湿性に優れたモデル も増えてきました。 私自身もMILLETのティフォンを愛用していて、夏の蒸し暑い日でも快適に歩けます。



ただし、これらは初心者が最初から手を出すには少し高価かも。 そこで、価格帯ごとに“どんな人に合うか”をちょっと整理してみました。
■ 価格帯別の選び方
● 1〜2万円台(最初の一着にちょうどいい)
- Gore‑Texの基本モデル
- 必要な防水性・透湿性は十分 → 山デビューにはこれでOK。
● 2.5〜4万円台(快適性を求める人向け)
- ティフォン/フューチャーライト/トレントフライヤー
- 蒸れにくく、行動中ずっと着ていられる → 山に慣れてきて“もっと快適に歩きたい”と思ったらこのクラスへ。
● 4万円台〜(本格派)
- 長時間の雨や縦走向け → 最初からここを買う必要はありません。必要になったら自然と欲しくなる装備です。
③ザック
大きさも形もますます種類が増えているザック。 トレラン用、縦走用、沢登り用、バックカントリー用…など用途もさまざま。 またメーカーによって背負い心地も全然違います。
もちろん用途によって選ぶことも重要で、また背負い心地は好みも大きく分かれるので、ここはぜひ、いろんなメーカーのザックを背負い比べていただきたいのですが、ポイントは容量です。
汎用性が高いのは 30〜35L。 日帰りから小屋泊まで対応でき、初心者が最初に選ぶサイズとして、とてもバランスが良い容量です。
体格によっては25〜30Lが合う場合もありますが、あまり小さいものを選んでしまうと、パッキングの際にストレスになったり、それによって必要な装備を削ってしまったりすることもあります。 ※容量が大きくても、ザック自体の重さはほとんど変わらないモデルも多いので、初心者ほど“少し余裕のあるサイズ”が安心です。
まずは少し大きめを購入しておき、慣れてきて、日帰り登山を身軽に楽しみたくなったら、少し小さめを買い足す…といった方法がおススメです。

あせらず、少しずつそろえるという考え方
最初から一流品を全部そろえる必要はありません。
- まずは 靴
- 次に 雨具
- その次に ザック
山は季節・天候・体力によって、必要な準備が少しずつ変わります。 迷ったときは専門店や経験者に相談しながら、ゆっくり自分のスタイルを育てていけば大丈夫。
まずは、安心なコースのある身近な山で、たのしい“山デビュー”を果たしてください。 その一歩が、きっと次の景色につながっていきます。
Mt.Vegのツアー「ソロ登山教室」や「50歳からのゆっくり登山教室」では、 本格的な道具がなくても“山を始めてみたい”という方の最初の一歩をサポートします。
いつか富士山へ。 いつかアルプスや八ヶ岳へ。 その日のための、小さな一歩をいっしょに。





