【ツアー報告】第2回 50歳からの“ゆっくり登山教室” 奥多摩・三頭山

目次

歩き方の本質と、山の恵みを味わう一日

こんにちは、Vegです。
季節の移ろいとともに、山の表情も少しずつ変わってきましたね。今回は「50歳を過ぎて山が気になり始めたら、この山で適正チェック」そんなInstagramの投稿とブログをきっかけに募集した第2回「三頭山で“50歳以上限定ツアー”」の開催報告です。

今回の参加者のみなさん

三頭山は、派手な絶景こそないけれど、 歩きやすく、森が深く、静かで、 “山歩きそのものの楽しさ”が味わえる山です。・歩くこと自体が楽しい道 ・ブナの原生林に心がほどける ・下山後は温泉や地元めしで満たされる

この山が心地よく歩けたら、 もう「趣味は山登り」でいい。 そんな基準の山です。

今回、ツアーに参加していただいたのは、ウォーキングは趣味でやっていたが、山歩きは未体験というHさん夫婦。この夏、夫婦で富士山登山にチャレンジする前に山登りの基礎を学びたかったといいます。もうひとかたは登山歴1年未満ながらすでに百名山にも2座ほど登ってきたYさん。これからも登山をマイペースで楽しむために、ペースづくりや安全対策について学びたかったといいます。

この3名で、檜原村・都民の森からスタートしました。

靴をきちんと履くと、疲れにくい

ゆっくり歩くのは難しい!?

まずは“疲れにくい靴の履き方”をレクチャー。 靴は正しく履くとそれだけで足の疲れが軽減されるんです。コツはしっかり靴紐をしめること。そして「途中でほどけないけど、実はほどきやすい」結び方に、みなさん驚きの表情。

正しく靴を履いたら、いよいよ歩き出し。この時、先頭をYさんにお願いしましたが、 すぐに気づいたのは「スタートが速い!」こと。ここから、歩き方の本質に触れる時間が始まりました。

プロが大切にする「歩き方の本質」

登山は、運動強度でいえば ジョギング並みの有酸素運動です。 その“ジョギング相当の負荷”を、5〜6時間続けるのが山歩き。だからこそ、 一歩でどれだけ負荷を減らせるかが、 その日の疲れを左右します。

① 最初の10〜20分は「ゆっくり」

心肺は急にフル稼働できません。 序盤をゆっくり歩くほど、“呼吸が乱れにくくなり” “乳酸が溜まりにくくなり”  “後半の疲労が激減する”んです。

アンケートでも 「歩き始めのペースが学べたことが一番印象に残りました」 と書いていただきました。

② 登りも下りも「斜度をいなす」

段差を正面から受け止めると、 太ももや膝に負荷が集中します。

大切なのは、 斜度を“いなす”ように足を置くこと。 下りでは、 段差を“吸収するステップ”で衝撃を逃がすこと。

これはプロのガイドが最も重視する技術です。

③ 筋肉を“交代させながら”使う

登山は、太ももだけで踏ん張るスポーツではありません。

ふくらはぎ お尻 体幹 背中 足裏の細かい筋肉。これらを少しずつ“交代させながら”使うことで、 一か所に負荷が集中しない歩き方になります。

④ 意識 → 反復 → 無意識化

最初は意識しないとできません。 でも、繰り返すうちに無意識に近づき、 歩き方そのものが変わっていきます。

鞘口峠まで登ると、 「思った以上に息が切れなかった!」 とみなさん笑顔に。

ゆっくり歩くのって、難しい…
斜面を安全、ラクに歩くステップ

霧のブナ林をゆく

鞘口峠からは、ブナの巨木が立ち並ぶ原生林へ。 霧がうっすらとかかり、森はしっとりと静か。

3人で歩くと「一人じゃないけど、一人の気分も味わえる」 そんな絶妙な距離感が生まれます。

山頂に出ても眺望はなし。

でも、誰も残念がらず「気持ちいいね」 「最高だわ」 と、梅雨の森を楽しんでいました。

とにかく気持ちいいブナの森
足元にはギンリョウソウ
展望はなくても…

山の“おまもり”を体験

避難小屋のテラスで少し長めの休憩。 パンを食べながら、山の話をゆっくりと。

ここで紹介したのが、 ソロ登山の“おまもり”アイテム、シェルターです。この日紹介したのは「ファイントラック社のピコシェルター」

広げてみて、実際に中に入ってみると 「あったかい!」 「こんなにコンパクトなの?」 「簡単そう」と、みなさん興味津々。「できればひとりで気ままに歩きたい」ソロ志向の方にはぜひ携行していただきたいアイテムで、ツアー後のアンケートでも 「緊急時の簡易テントを体験できたのが印象的でした」 とのコメントをいただきました。

ピコシェルターに入ってみると…「あったかい!」

沢沿いの道を下山

三頭大滝へ向かう沢沿いの道は、水量が増えて清涼感たっぷり。 流れる水に手を入れてみたり、すくって飲んでみたり。 「甘い!」なんて声も。

下り方やストックの使い方を細かくお伝えしながら、 無事に駐車場へ戻りました。

雨上がりの沢の水は甘いんです
ひとりじゃないけど、一人気分も味わえる距離がいい

下山後の“山とやさい”時間

今回は、Yさんの希望もあり、 温泉や下山めしではなく、檜原村の直売所へ。

野菜ソムリエとして、 檜原村の名産である ジャガイモルバーブ の話を少し紹介しました。

どちらも、実は登山後の体にとても良い食材です。

じゃがいもは、 ビタミンCがデンプンに守られて壊れにくく、 疲労回復に役立つカリウムも豊富。 炭水化物は“ゆっくり効く”エネルギー源なので、 長時間歩いたあとの体にやさしい。

ルバーブは、 ポリフェノールが多く抗酸化作用が高い食材。 曇天でも紫外線は降り注ぐので、 肌や体の回復にうれしい酸味をくれます。

ちょうど収穫されたばかりの新鮮なジャガイモとルバーブを、 Yさんはお土産に買って帰られました。

山を歩いたあとに、 その土地の恵みを手にして帰る。 これもまた、山旅の楽しみのひとつです。

参加者の声

「ペースを合わせてもらえて安心でした」

「靴紐から歩き方まで、登山の基本を知れて嬉しかったです」

「一つ一つ丁寧に対応してくださり、本当に嬉しかったです。 些細なことも答えてくださり、有難うございます。」

現在の三頭山の状況について

今回のツアーは、7月7日の事故が発生する前に実施したものです。 その後、鞘口峠付近で登山者がクマと遭遇し、驚いて追い払おうとした際に滑落し負傷する事故がありました。クマによる直接の攻撃はありませんでしたが、 この事案を受けて、檜原都民の森の周辺登山道は 7月31日(金)まで閉鎖 となっています。https://www.hinohara-mori.jp/

都民の森のイベントも同期間中止となりました。 売店や森林館、木材工芸センターなどの園内施設は利用可能で、 レストランは土日祝のみ営業しています。

山を歩く際は、最新の情報を確認し、 無理のない計画で、安全第一で楽しんでいただければと思います。

次回のお知らせ

“50歳からのゆっくり登山教室”は、 当初予定していた三頭山が現在、登山道閉鎖となっているため、 次回は場所を変更して開催します。野生動物やこれからの時期は熱中症などに注意しながら、8月以降も定員3名の超少人数制で開催していきます。よろしければ、ぜひご参加ください。

行動時間とコースの難易度

行動時間:6時間16分(休憩含む)ややゆっくりペース

距離:6.0km

登り:649m  下り:652m

コース定数 15(ふつう)

適度に体を動かしている人なら、 登山が初めてでも楽しく歩けるコースです。

この時の記録はYAMAPで公開しています。https://yamap.com/activities/49464567

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