【50歳からの登山教室】雨の日でも“山”を楽しむ、ゆっくり登山

「せっかくの休日、雨で登山中止…それ、実は一番もったいないかも」

雨の日の山は、ただ濡れるだけの場所ではありません。

しっとりと色を深めた森、霧に包まれる木々の輪郭、静けさに守られた歩み。

50代からの山歩きでは「安全第一」が大前提ですが、きちんとした装備と技術、そして行き先の選び方さえ整っていれば、雨の日の山は、むしろ“ご褒美の時間”になります。

今回、「50歳からのゆっくり登山教室」でご案内したのは、50代の初心者3名。「一日中雨マークの日に登るのは初めて」という皆さんでした。

今回の参加者のみなさんと登山口で
目次

雨の日にオススメしたい奥多摩・三頭山

今回の舞台は、Mt.Vegの「ゆっくり登山教室」でもおなじみの三頭山。都民の森として整備され、危険箇所が少なく、ブナの巨樹や大きな滝など、雨の日こそ映える景色が多い山です。

山頂直下には避難小屋もあり、安心感も十分。山頂を目指さないコースも多くあり、その日のコンディションにあわせて長短選べるのも利点です。また、三頭山の自然をジオラマや剥製などを使って解説している展示室もあり、“山の勉強”にも最適。

ただし、今年7月にはクマの目撃情報(遭遇)により、登山道がひと月ほど一部閉鎖されました。クマと不用意に出会わないためにも、クマ鈴などクマ対策は必須。でも、これはどの山でも同じですね。

Veg流の「雨の日に登る判断基準」と「歩き方」

どんな「雨の日」であれば、楽しく安全に山登りを楽しめるのか? Vegが夏山シーズンで基準にしているのは、まず最低気温が20度以上あること。そのうえで、予報が次の条件なら“登る選択肢”に入ります。

  • 一時間あたり 1〜3mm 程度の小雨
  • 風速 5m/s 以下(葉が揺れる程度)
  • 雷の発生率が低いこと

まずは登山口まで行き、予報と実際の状況が大きく違わなければ出発します。

ただし、いくら気温が高いとはいえ、濡れ対策はバッチリしないと低体温症の危険が伴います。登山用で、手入れされたレインウェアはもちろん、ザックカバー&ザック内の防水。そして蒸れないインナーを着用する。最低これだけは準備をした上で、山に向かいます。そして・・・

雨に濡れると小さな花も存在感が増します
見過ごしてしまいそうなミヤマママコナの花

雨の日は意外と「傘」が活躍する

夏の雨は蒸し暑く、レインウェアをバッチリ着込むと、内側が汗で濡れてしまうことも。

そんなときは、木々の枝が頭上を覆う“雨に強い森”を選び、レインウェアは上着だけ着用して、傘をさして歩きます。

平坦な広い道なら傘で快適に

ただし、山道を歩き慣れていない初心者は転倒のリスクもあるので、樹林帯の幅の広い整った登山道など、限られた場所で使用します。

また、レインウェアの下は、雨が強くなった際に、登山靴の上から履けるよう、サイドがジッパーで全開になるタイプがオススメ。あらかじめジッパーを半分以上開けておき、ザックの上部に入れていおいて、サッと履ける練習を平地でしておくと安心です。

一方で、三頭山のように広葉樹が頭上を何層にも覆う深い森の中では、小雨程度ならほとんど雨が気になりません。降っていることに気づかないことも・・・。今回の参加者も「こんなに濡れないんですね」と驚いていました。

森の中は意外と雨を感じない

滑りやすい斜面の歩き方

雨の日の登山道は、どんなに平和でも滑りやすいもの。そこで意識したいのが、足裏全体で着地する“フラットフッティング”“小刻みな歩幅”です。

重心を低く保ち、地面にフラットに足をおくことで「ズルっ」を防ぎ、階段状でない斜面でも安定して歩くことができます。転倒を防ぐ、雨の日の心強い技術です。

雨の日だからこそ身につく「地図読み」

視界が悪い日は、山頂からの下山方向をコンパスなしに判断するのは難しくなります。

今回も、アプリだけを使って下山道を間違えた経験を持つ参加者がいて、「GPSがあっても、地図が読めなければ迷う」ことを実感されていました。

そこで、まずはアプリで現在地を確認 → 紙地図とコンパスで目的地の方角を知るという基本のナビゲーションを繰り返し練習。みなさん、慣れないコンパスに最初は戸惑いつつも、何度か繰り返すあいだに、

「安心する」「ちょっと自由になった気がする」そんな声が聞こえたのが印象的でした。

コンパスワークの基本を繰り返し…

雨の日の山で出会えるもの

  • 幻想的な景色  霧に包まれた森、濡れて色濃くなる緑
  • 静かな山歩き  人が少なく、自分のペースで歩ける時間

普段は大勢の登山客で賑わう三頭山も、雨の日は静かで、すれ違う人もわずか。ほぼ貸し切り状態でした。

そして、山の中は、雨の日ならではの風景がいろいろ広がっています。

霧に包まれた森の中を歩くと、山に包まれたような感覚になったり、

色とりどり、様々な形のキノコ達がひっそり落ち葉の中で立っていたり、

薄暗い森の中でも、小さな花が雨に濡れてキラキラ光っていたり。

なかでも参加者を魅了したのが、山林の低い草木に生息する「皿蜘蛛(さらぐも)」の仲間が作る「皿状網(さらじょうもう)」と呼ばれる蜘蛛の巣。それが、雨に濡れたことで、まるで森の中を妖精が飛び交っているかのような幻想的な風景をつくっていました。

皿蜘蛛が作った巣が雨でアートに変身

この日の様子はInstagramで公開しています。是非合わせてご覧ください!

参加者の声

  • 登山の楽しみ方が広がった 「これまでは山頂を目指すだけでしたが、ゆっくり自然を楽しみながら登る魅力を知りました。超亀足ペースでウォーミングアップすることで、体に負担なく登れることにも感動です」
  • 雨の日の魅力と学び 「小雨だからこそ出会える幻想的な景色や、初めての避難小屋利用、紙地図とコンパスの実践など、発見と学びに満ちた時間でした」
  • プロガイドならではの安心感 「事前ヒアリングから送迎時のフォローまで丁寧で、安心して参加できました。クマのニュースで諦めていた三頭山に来られて本当に良かったです」
  • 嬉しいおもてなし 「道中でいただいた温かいあずき茶や、帰りに立ち寄った地元の直売所など、山歩き+αの思い出がたくさんできました!」

皆さんと一緒に、雨の日も、安全で楽しめる山歩きを・・・

みなさん、雨の日でも無理なく、安全に、そして静かに山を楽しめたと、うれしいお声を頂きました。

「山とやさい Mt.Veg」ではこれからも少々の雨の日であれば、雨の日を楽しむ山歩きを開催したいと思います。

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